歩き遍路第12日目

2014.3.7 32021
 
 

<参拝寺> 80番-東光寺 81番-地蔵院 82番-宮本寺 84番-弘仁寺 87番-阿弥陀院

 

出発点:禅長寺(79番)付近  到達点:阿弥陀院(87番)

5時過ぎに目が覚めて、外を見ると真っ白。道路も白い。

 

これは、なかなか大変な1日になると覚悟をした。

早めに準備をし、7時前には朝食を食べた。

親父さんが一緒にご飯をためながら、一杯を勧められた。

そして、1冊の本を下さった。

ちゃんと添え書きがしてあった。

名前を見ると、北雪酒造の羽豆さんと同じ苗字だった。

詳しいことを聞くことはやめようと思った。

奥さんと同級生と聞いたのは、昨夜だった。

その時に話が出なかったのは、何か差しさわりがあるのだろうと思った。

出発前に、二人の記念写真を撮ることにして外に出た。
(734)



思ったよりは寒くなかったが、庭も白い。

撮影後、急いでバス停に向った。

滑らないように気をつけて歩く。

バス停は、民宿から50mくらい離れている。

誰もいない、車が1台止まっているので、聞いてみるとまだ、7時43分まだバスは着てないという。

数分待つと、小学生・中学生が数名家から出てきた。

まだ、バスは着てないようだ。やっとバスが来た。5分遅れ。

乗り込んで、料金を聞いて小銭を準備して握り締める。5kmを走り、JAの前のバス停で下車した。

さあここから、一気に登りが続く。

標高300mくらいの場所にある80番札所東光寺に向う。

途中、自販機があったので早めに飲み物を買っておく。

ひたすら登って行く。

道路の歩道じゃ雪が積もっているので歩きづらい。

車の来ない時は、車道の白線の上を歩く。

凍結はないので滑ることはない。

途中、暑くなったので、2枚着ていたヒートテックの下着を1枚にする。

セーターも脱いでいく。

ウィンドブレーカの下は、下着と厚手のシャツのみになる。

畑は真っ白、薄着。

寒い時は風をしのいでバス停で休憩する。

場所によったら立派なバス停がある。夏場は充分一泊できる。

1時間ほど登って行くと、バス停がありここを左折してお寺に向かうようになっている。(
95分)



ここからの道は、道路は完全に真っ白。



雪道になっている。500mほど行くとお寺が見えた。

雪深い。入り口を入ると、岩谷口とかかれた看板と赤い鳥居が合った。

 

女房の実家と同じ名前なので、なんとなく写真を撮る。

穴が開いているのを祭っているようにも見えた。

いろいろ祭った鳥居がある。(
99分)



そのような場所なのだろう。10cmくらい積雪に沈みながら本堂に向う。

 

有名なお寺らしく本堂も立派なつくりになっている。

動物の足跡が続いている。

鹿かタヌキか犬かよく分からない。

宮島で見た動物の足跡からすると、鹿ではないようだ。

お参りを済ませ、装備をつけてGPSの旗を立てるのを忘れていたので、一度出てスイッチを押した。

 

 



そして再び中に入り、入り口付近にあった木造物の写真を撮って出発した。

お寺の正面に出た。(
933分)



このまま真っ直ぐ進めば、近道のような気もしたが、ここで迷うと大変なので、

遠回りではあるが着た道を戻り、幹線道路を進むことにした。

積雪の量を考えて、安全策をとった。

たぶん10分くらいのロスと考えた。

道は大きくカーブをしていた、しばらくいくと東光寺の案内板があった。

相川・河原田の方面から来たときは、この道を下って行けばいいのだと思った。

次の81番札所地蔵いまでは約8kmある。

しばらく歩き続けることになる。風が冷たい。

山間部なので、しっかり標識等を見ておかないと通過する可能性がある。

注意深く見ながら歩く、

登りきると、今度は下りに変わる途中寒くて腹具合が悪くなり、藪に入るが寒い。

修一君が追いついてきた、進むのが早いのでびっくりしていた。

昨夜の強行軍について話をしたら納得した。

今夜の宿を予約していなかったので、電話をすることにした。

というのも今まで山中の中では、携帯電話が通じなく、修一君とも連絡がとれない状態だった。

何とか宿根木まで行けそうなのでと考え、かね長の女将さんが推薦してくれた宿に電話をした。

あいにくお通夜に行くので休業すると言われた。

さて困った。

かたっぱしから電話をかけるが、全部休業中。仕方なおので5km手前の小木の民宿に電話をした。

最初に電話したところは、OKだったが、夕食はないと言われた。

海が荒れているので漁が出来なく用意が出来ないというのが理由だった。

小木だったら食堂もあるからと言われたのでお願いした。

場所については、跡で聞けば良いと思った。

というのも民宿リストには住所しか書いてない。

小さいといっても小木の町は左右数kmあるので、探すのは大変。

まずは、一安心、余裕があれば宿根木まで行き、バスで引き返すことにした。

修一君は一度相川に戻り夕方にでも来るからと言って戻って行った。

途中デーサービスの車を止めて場所を聞いた。

車の前に立ちストップさせる。少し強引だけれど、人が歩いているような場所ではない。

近道があるようだが、積雪を考えると少々遠回りでも幹線道路を歩いたほうが安全。

瀧音というバス停を目標に進む。

バス停と駐車場のあるような場所にバス停はあった。

ここから左折して山の坂道を登って行く。

300mほど山に入ると石段が正面に見えてきた。

2時間歩いてやっと地蔵院へ着いた。(1136分)



石段には地蔵が幾つか並んでいる。

光線の具合も良いので、2体撮影した。

  

撮影をしながら体力の回復を待つこともある。

歩き続けてからいきなり石段を登るのは辛い。

  

 

ここにも動物の足跡があった。タヌキのような気がする。25分くらい滞在した。

次は、82番札所宮本寺に向う。

近づいて来たようだが山間部で見通しがきかないので行き過ぎる可能背を感じ、

ガソリンスタンドに立ち寄って聞いた。

「宮本さんね、」といいながら地図を出して教えてくれた。

もう少し先を右折していくように言われたので行ってみると」急勾配の広い道があった。

ここを
500m登って行くと、右手に山門があった。(1241分)

 

   

中に入るとお皿にイカと馬と読めるメリケン粉をこねて作った珍しいお供えものと鉄の装飾品があった。

しばらく写真を撮っていた。とにかく寒いので前に進む。

途中、大きな神社が見えて来たので、トイレ休憩も兼ねて立ち寄る。

度津神社(わだつじんじゃ)そして佐渡植物園もあった。

100mくらいのコースアウトだ。

修一君から聞いていた、宿泊のできるレストランがあった。

トイレをすませ、暖かいカフェラテを買って出発。

今日の昼食は、宿でいただいた干柿ひとつ。

せっかく作って貰った弁当が食べきれなかった。

2kmほど行くと一宮入り口バス停があるので、そこを右折して2kmほど急勾配の坂を登って行く。

吹雪になる。

なんとなく心細い道中。

何とか一気に登って行くが人影もない。

やっと、84番札所弘仁寺に着いた。(
1449分)

 

雪が積もっている。

寒々しい寺の雰囲気。

山門をくぐると、一台の車が出てきた。

車から女性が出てこられたので、「お参りをさせて頂きます」と告げた。

「どぞ」といわれて外出をされた。

本堂に入ってお参りしようとして、開けようとしたがすべての戸が閉まっていた。

立て付けが悪い寺もあるからと聞いていたので、何とか開けようと思ったが、鍵がかかっているのが見える。

今回は83番如意輪寺を飛ばしている。

コースからしてかなり離れていて、コース順に行くと、半日くらいのロスが出てします。

車だと30分も行けば83番まで行けるが、歩き遍路の足では、

82番83番84番と回ると5時間はかかるだろう予想。

どうせ88番結願後河原田の方面に帰る幹線道路のそばなので、あとにまわした。

その報いか。

しばらく待ったが、出かけたばかりではいつ帰って来るかは分からない。

お寺に電話をしたが誰も出てこない。

本当に途方にくれてしまった。

戻って来るだけの気力体力もない。あきらめて来た道2kmを歩いて幹線道路に出た。

気の重い道中になった。

82番札所から2時間かけてここまで来た。

やっとという気持ちになっていたので落胆は大きかった。

あの時、どうして確認をしなかったのか後悔した。

まさか、どうぞと言われたので閉まっているとは夢にも思わなかった。

暗い気持ちを、見つけた地蔵に託して撮った。

羽茂という地名は広い、行けど行けども小木に着かない。

途中で聞いたが、あの山の向こうといわれてがっくり。

天気も悪く暗い道をだらだら歩く。

もう着いたかなと思い、次の87番札所阿弥陀院が山の中にあっては行けないので、

十字路に出たところでお店に入って聞いた。

まだ小木ではないといわれた、随分ありますよとも言われた。

親切な若奥さんで妊婦さんのようだ。

新聞を見て私のことを知っていて励ましてくださった。

小木までの目標物をリストに書いてくださって、最後は交番の場所を書いてくれた。

ここで最終確認をしてくださいといった。

御礼を言い吹雪の中を再び歩き出した。

小木の宿に電話をして、小木のどのあたりに宿があるのか確認をした。

先ほどのお店で教えてもらったパチンコ屋さんの手前と言うと、

小木にはパチンコ屋はないので、まだ小木には着いてない。と言われた。

とにかく真っ直ぐ進んでまた、電話をするように言われた。

お店で教えられた広い道を行くと、直江津に渡るフェリー乗り場に着いた。

ここは目標にしていた道よりも随分海岸によってしまったことを知り、見つけた交番で聞こうと行ったが不在。

仕方ないので作業をしている工場の人に地図を見せて聞いた。

結局、今いる場所は新しく整備された道で旧道からは離れていることが分かった。

山の方に路地を通って戻った。郵便局があったのでやっと自分の位置が確認できた。

まず、87番札所阿弥陀院に行くことにした。

5時に着いた。すでにあたりは薄暗くお寺も閉まっていた。(17)

 

住居を訪ね、お参りをしたいとお願いした。奥様が新聞を見ていて親切にお菓子までいただいた。

住職もだんだん気分が乗ってこられたのか、お寺の由来とか仏像の話をされだした。

仏像に興味があることを話すと、大切な仏像の話をされだし、写真も撮って良いとまで言ってくださった。

 



残念ながら暗いので三脚がなければ撮れないこと、ストロボを使うと雰囲気が出ないとお詫びした。

明るいところまで出しましょうかと言ってくださったが、結果はおなしなので、ご縁がありましたらと伝えた。

84番札所のことを話すと、車に乗せて行ってあげようかとまで言ってくださったがお礼だけにしておいた。

宿からまだ着かないかと電話があったので現在位置を言い、道順を聞いた。すぐそばのようだった。

旧道に宿はあった、大きな宿だったがお客はほかに誰もいない様子だった。

まず、荷物を置いてから食事を食べに出ることにした。

ひさしぶりにラーメンが食べたいと言うと車で案内をしてくれると言われた。

洗濯をしたいと言うと、乾かないから前に衣料品点があるから買ったほうが良いと言われた。

修一君が来たら、車に積んだシャツがあったが急用で来ることができなくなった。

着替えもないので買いに行った。

大きな衣料品店だったが、何時も着ている厚めのシャツが680円で売っていたので買った。

夕食はまがりくねった街中を走って連れて行ってくれた。

帰りはどうしようかと思っていたら迎えに来てくれた。

今朝いただいた弁当は、食べることが出来なく捨てることも出来なかったので、ご主人に始末をお願いした。

8時、思い余って84番札所に電話をした。

最初お母さんが出てこられ話が通じなかったが、

若奥さんが出てこられたので「昼間お参りをさせて頂いた遍路です」と告げると

「すいませんね、閉まっていたでしょ。

お参りだけかと思って出かけたのですが、よく考えるとそんなことはないと、気がついたのですが、

学校から緊急招集がかかり戻れなかったので、すいません」と言われた。

「歩き遍路なので、もう一度行くのは難しいので、後日郵送しますので印を押して返送いただけないでしょうか」とお願いした。

ひとつでも欠けるのは残念なので。

と言うと「宿を聞かれた」小木ですと答えると、明日は用事があるので、今から行きます。

と言って来てくださった。

本当は持ち出し禁止なのですが、私が悪いので特別に持ち出しました。」と。

広島から来たことなどの話をしていたら、奥さんは鹿児島から嫁いできたということだった。

佐渡に来るまで雪も見たことがなかったと、しみじみと話された。

「主人が今京都に行ってますが、まもなく帰って来るので、是非会って話をしてください。

88ヶ所霊場にも関わっています。」と言われた。

ちょうど帰還する日に両津に戻ってこられるらしく、時間の調整をしてみますと連絡先を聞いておいた。

まもなく帰られて、部屋にある風呂に入り寝た。

明日の宿は、河原田のかね長にしている。

行ける所まで行って、バスで帰ろうと思っていた。

次の日、1番から2・3・4・6番を回って終了。

7番まで歩けば1周したことになる。

何としても4番札所まで行きたかった。

 

「お宿 宝家」 朝食(宿泊費込み 7875円)


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以下 撮影者:清水修一