歩き遍路第13日目



2014.3.8 44648
 

<参拝寺> 87番-阿弥陀院 85番-海潮寺 86番-称光寺 88番-蓮華峰寺 83番-如意輪寺

      5番-智光院 

 

出発点:阿弥陀院(87番)付近  到達点:大光寺(4番)付近

6時起床した。7時朝食。部屋まで朝食が来た。

多くて全部は食べきれなかったが早めに済ませ。

8時を待って宿を出た。

昨夜の雪もあり道路は真っ白。

駐車の車には、5cmくらいの雪が積もっている。

昨夜気がついたのだが、納経帖に朱印を押す場所を間違っているのを発見した。

83番札所を飛ばしていたので。

87番札所に朱印を押す時に、間違って83番に押していた。

朝一番で、再度87番札所阿弥陀院を訪問した。

ちょうど住職が出かけられるところだった。

昨夜、弘仁寺の奥さんがわざわざ来てくださったことを伝えた。

喜んでおられた。

住職の今から葬儀に行かれると話された。

 

 

 

朱印を押して頂き、外に出ると雪をかぶった地蔵が並んでいた。

思わず立ち止まって撮っていた。(
821分)

急いで宿根木方面に向った、片道5kmの往復路になる。

 


最初につまずいた。

海岸線に出て行こうとしたが、道が違うことに気がつき、再度旧道に戻り急勾配の道を登って行く。

道路の積雪が5cm以上あり、歩きにくい、まだ歩道は誰も歩いていない。

真っ白な道が続く。

車が来ない時は、できるだけ車道を歩くようにする。

高台を歩く。
途中、たらい舟で有名な場所の案内があったがパスした。

道路には雪が積もっていたが、入り口の坂道は、水を放水して雪を溶かしていた。

観光地を感じる。

矢島入り口のバス停には、案内看板があったので左折して行くと300mくらいで85番札所海潮寺に着いた。(
852分)

どうも横から入ったらしい。

境内は積雪で真っ白、木々には花のように雪が漂着していた。

 

納経を済ませて外で写真を撮っていると、除雪を始めた奥さんに出合った。

桜が有名で国指定天然記念物で順徳天皇のお手植えと聞いた。



今は残念ながら雪桜。

急斜面の本堂の屋根からは、大きな音を立てて雪がずり落ちていた。

せっかくなので、奥さんにお願いして除雪風景の写真を撮った。



しだれ桜についた雪が美しかった。

新聞を見て私のことは知っておられた。

今度は正面山門から出て畑道を抜けて、幹線道路に出て宿根木に向った。

ひたすら宿根木を目指す。

畑は真っ白状態。




風もあり寒さを感じる。

時々吹雪く。

宿根木に近づくと民宿の看板はあるが、営業はしてないようだ。

小木民族博物館を過ぎる頃、宿根木に着いたようだ。

地図を見ると一気に札所に向う石段と、



幹線道路を大回りして海側から奥にある札所に向かう2種類のルートが考えられたが、

女房が古い町並みが残るエリアがあるので見てきたらと言うことを思い出し、

案内看板を見ると、町並みを通過して札所に行ける様なので、遠回りをして行く事にした。



道路を海岸線に向って広い道を下って行くと、宿根木の町並みが見えて来た。

思ったよりも小さな村だった。

小綺麗にした町並みが現れたが、狭い路地を抜けていくような感じではあるが

 

かなり改修しているように見えたので、行くのをやめた。

川沿いに上がって行けばいいと思い行くと、自販機の整備をしている男性がいたので、

町並みについて聞いてみた。

「怒られないから行ってみれば」と言う程度の回答があったが、それ以上興味もなかったので、

川沿いをドンドン上がって行った。

1mもない狭い道。家がくっつくように立っている。

数秒でどん詰まりにお寺見えて来た。86番札所称光寺着(949)



 

 

 

一番寒い場所だろうと思った。

山門を入ると、本堂までの道30cmくらいは除雪していた。




本堂の前は、他のお寺のようにムシロがかけられ、一人が通れる位の隙間を作っていた。



風情もあるが、防風・防寒に効果があるのは事実。

お寺の戸は開いていたので、入って般若心経を唱えて納経をしようとしたが、朱印を入れた箱がない。

あちこち探したが見つからない。屏風などを製作しているようなので無人ではないようだ。

御用の方は、このベルを押してくださいとあったので、しばらく押したが反応がない。

ここで、欠けるのはいやなので山門を出て民家に行き、事情を話した。

女性が「住職はいるはずだから、電話をしてみよう」と電話をかけてくださった。

住職は隣の建物におられた。雪の積もる細い道を案内して連れて行ってくださった。

納経を済ませて外に出ると心配して、外で待っていてくださった。

お礼を言いながら写真を撮らせてもらった。(
1024分)



この場所は地域の人たちが大切にしるお寺だと感じる、決して立派なお寺ではないが重厚な寺だった。

1024分。お寺を出て、細い道を抜け石段を登ると、さっき見た小木民族博物館の前にでた。

本当に狭い村だと感じた。ここの有名な民宿には、ついに泊まることは出来なかった。

小木へ向かう途中、大きな地蔵さんを見た。(1040分)



遠くから見ても見えるくらいなので、10m近いのではないだろうか。

新しい感じだったのでパスして進む。

雪はだいぶ解けてきているが、歩道はまったく人が歩いた気配がない。

車道を歩く。

5kmを歩いて、小木に着いた。旧道とバイパスはあり、どちらも同じくらいの距離だったので

まちがわないように、昨日来たバイパスを歩き、相川・河原田へ案内のある幹線道路を歩いた。

阿弥陀院から88番札所蓮華峰寺までの最短距離の道もあったが、海岸線の雪の状態を見て、

山道を登ることを考えて、安全策をとった。

小木の宿のご主人について幹線道路のことを聞いていた。

「道は登りが厳しいですか?」「ぜんぜん平坦だから心配ない」と言う会話。

峠を越すのだから、そんなはずはないとは思いながら、信じてしまった。

小木の町を出ると、いきなり急勾配が続く。

「嘘だ」と叫びながら延々と登り続け、そして小さなアップ・ダウンを繰り返しながら歩く。

小比叡入り口のバス停を目標に歩く。

バス停から1km坂道を登って行く。

異常に寒く感じる。

お寺の場所は冷蔵庫に入ったように寒い。

修行の場所だったのだろうかと思う。


やっと
88番札所蓮華峰寺に着いた。(1219分)





さすがに
88番札所になるだけあり、今まで見たお寺の中では、たくさんの建物などを見ても一番群を抜いている。



 

バスの出入りが激しい。

どうも葬儀をしているようで黒の喪服を着た男女がバスから出てくる。

本堂に行くと、葬儀の最中だった。


お参りをお願いするとどうぞ上がってくださいと案内をされた。

若い僧侶が納経帖を持って行った。

納経所があるようだ。

阿弥陀院の住職がおられた。

葬儀はここだったのだと知った。

般若心経を唱え納経を済ませて、本堂を離れた。

葬儀の邪魔をしてはいけないと思い早々に出発した。

 



結願ではあるが、まだすべてのお寺を回っているわけではないので、そんなに感動的ではなかった。

それよりも、この冷蔵庫の空気から立ち去りたかった。とにかく寒い。(1242分)

小比叡入り口のバス停まで戻り、幹線道路を歩きながら、83番札所如意輪寺を目指す。

かなり歩いたので、バス停で休憩した。風も入ってこない。

ここで軽く食べた。

88番札所が余りにも寒く食べる余裕がなかった。

干し柿をひとつ。

一休みをして、そばにあった自販機でカフェラテを買ってリュックに入れた。

しばらく歩いて、ここだと思い右折した。

自信がなかったので民家に入り聞いた。まだ先だと言われた。

どのくらいの距離か聞いたが、自動車社会の人は歩く距離感がないのでかなりあいまい。

15分くらい歩けば小泊というバス停があると聞いた。

何とか見つけて右折。

また、聞くことにした。

数件先の右手にあるといわれたので少し歩くと63番札所如意輪寺があった。(
1421分)

残雪も少しあった。

山門の中に如意輪観音の石仏が並んでいた。

 


気になる石仏を撮り本堂へ行った。



納経を済ませ出発した。

少しあせっていたかもしれない。

10分くらい歩くと、道は下りになった、下ると眼下には海が見えて来た。



海岸には弁天岩と名の付いた岩があり、お店などがあったが営業はしていなかった。(
157分)

ここからは、風が強いまさしく突風だ。



 



傘をかぶっているので風で身体が持って行かれる。

片手で傘を持っていないと吹き飛んで行きそう。

この風が今後も続くのかと思うと気が重い。

弁天岩を過ぎてすぐに、特に波の激しい場所に出た。



雪と風が吹き荒れる。

身体はよたよたしながら進む。

海を見ると波の華が出来ている。(
1512分)



 

後ろ帰るとパーキングにパトカーが止まっている。

私を監視しているの、心配をしているのか分からないがいる。

どうせ、佐渡中の警察・交番には何らかの情報が流れているのだろうなと思いつつ写真を撮る。





やはり水面すれすれから写真を撮りたいと思い、石段をくだり海岸線へ出た。

波打ち際は波の華でぎっしり。

しかし、余り綺麗なものではない。

が、必死でシャッターを切る。

たぶん佐渡での波の華の撮影はラストチャンスになるだろうと思う。

岩場には鳥が数羽とまりシルエットで見せてくれる。



波は大荒れ。

どこにピントを合わせたら良いのか分からない状態。

レンズには波しぶきが飛び散り、レンズがかなり曇っている。

拭いても塩分が残るのでソフトフィルターで撮ったような画質になる。

どのくらい撮っただろうか、道に上がってみるとパトカーはいなかった。

15時24分今度は再び高台へ向って登って行く。

そして台地の上をひたすら歩くことになる。

坂を登る前に装備を完全に重装備に切り替えた。

風の強さと吹雪はひどくなるばかり。



バス停に入って装備をする。

ここから、5番札所智光坊を目指す。倉谷というバス停を見つける。見落とさないように歩く。

16時5分 「倉谷の大わらじ」という看板を見つけた。

 

そばには2m弱もあろうかというわらじがぶら下げていた。

すこし歩くと倉谷のバス停があったので、左折した。

ここから台地をくだり海岸線近くまで下る。

わらじから12分かかったが5番札所智光坊についた。(
1618分)

 

 

静かなお寺だった。というよりもあたりは暗く人の気配のない寺。

このとき数珠袋がないことに気がついた。

リュックのどこかにしまいこんだのだろうか?

如意臨寺に忘れたのだろうかと思いつつ、引き返す勇気もなくあきらめた。

さびしくお参りをして出発。

来た坂を今度は登って行った。



30分近くかかった。

幹線道路に出て4番札所大光寺を目指す。

ここからは道路も狭く歩道はない。

車道の端の白線を歩くしかない。

突風が吹くと身体が車道側に持っていかれて危険。

必死で身体が流されないように歩く。

途中、太陽が沈みだし暗い空の一部に天空から光が降りてくるような夕焼けが始まった。



これは撮らなくてはと、狭い車道を気にしないで撮影に没頭する。

反対車線に出られない車は停車して反対の車が行くのを見て前に進む状態になった。

申し訳ないが怖いものはない。

一番良いアングルを探して進む。

木々を入れたり、アップにしたり各種撮影。



そのうちに海岸線に出た。

相変わらず風は強い。



あたりも暗くなりライトをつけて走る車も増えてきた。

途中人面岩というのがあったが、この時点で17時39分。



そろそろ限界と判断。

あとは、バス停ごとにバスの来る時間を見て、行ける所まで行くことにした。

ただし、次のバス停までの所要時間が分からないので、

停留所の感覚は15分と見て15分前になった場所から乗ることにした。

ただ出来たら4番札所まで行けば、明日は無駄がない。

必死で歩くtopスピードで歩く。ちょうど風が追い風になったのでスピードは上がる。

6時のバスで帰ろうと決めた。

ラッキーなことに4番札所前のバス停に着いた。

10分前。ここの自販機でカフェラテの暖かいのを買って飲みながら待つ。

2分前。1台の車がバス停の前に止まってしまった。

バスが着たらどうするのだろうかと思っていたら、車から広島の藤原さんですかと聞かれた。

はいと答えると、FACEBOOKで清水喜代子の友達ですという。一瞬誰のことか分からなかったが

修一君のお姉さんと分かった。

河原田まで行くので乗って行きませんかと言ってくれた。

バスは到着したが乗せてもらうことにして乗り込んだ。

本間章さんという。

道々話をしながら「かね長」まで送ってくれた。

明日歩くことになる4番札所から7番札所までの距離感が分かった。

結構距離がある。

2時間はかかると思った。

無事「かね長」についた。ホッとするベースキャンプに戻った。

夕食は部屋に持って来てくださった。

洗濯をしながら、風呂に入り夕食を食べて休息をとった。

足の豆を潰すために針を借りた。

今回は、爪が死ぬことはなかったが豆は両足に出来た。

 

河原田「かね長」泊 夕食・ビール・朝食(宿泊費込み 8000円)

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